
第二新卒にとって退職理由は命です。
退職理由によってあなたの話をちゃんと聞いてくれるか否かが決まると思ってください。
しかし退職理由を考えてうまく伝えるのって難しいです。
私も第二新卒で転職するのに苦労したのでとてもわかります。
今では面接する側になった私は、
「こういう退職理由にすればよかったな」と後悔することもあります。
そういった後悔も踏まえて、退職理由を考えるポイントをお伝えいたします。
この記事を読めば、あなたに適した退職理由を考えることができます。
例文も用意していますので参考にしてください。
なぜ退職理由は重要なのか
第二新卒での転職には5つのデメリットがあり、それらは以下の記事で紹介しています。
上の記事でも紹介しているデメリットの1つ【「またすぐに辞める」と思われる】。
あなたが辞める決意をするまでに色んな事情があったと思います。
・残業が多く体調を壊した
・上司と合わないなど人間関係で問題があった
・仕事内容が自分が思っていた仕事と違う
しかしそれらの事情は採用する側には関係ありません。
「3年以内で辞めようとしている」という事実が大事なのです。
「うちに入社してもすぐに辞めるのではないか」
「会社だけでなくこの人にも何か問題があるのではないか」
採用側はそう思ってしまうのです。
だからこそあなたは、
採用側が「それは転職するしかないね」と
誰もが納得するような「退職理由」を準備する必要があります。
納得できない中途半端な退職理由であれば、
もうあなたの話を真剣に聞いてくれません。
だから退職理由は重要なんです。
退職理由には自分の反省点を入れる
退職理由を考える前に意識してほしいことが1つあります。
「第二新卒で転職することになってしまった今の現状は、
自分が未熟であったことが原因である」という反省を退職理由に盛り込むことです。
※実際に反省する必要はありません
客観的にみて、入社して3年以内で転職するのは
あまり印象が良いことではないことをあなたも理解できるはず。
転職することになってしまった原因は自分にあると反省し
これからは改善しようとしている意志を採用側にみせることで
あなたの印象は格段に良くなります。
必ず「今は反省しており、この経験を活かす」という意志を採用側に見せつけましょう。
では具体的に退職理由を考えていきます。
仕事内容に不満があった場合の例文
例えばIT企業に勤める社会人2年目のえりさん。
えりさんは以下の不満を抱いていたとします。
・入社前はプログラミングの仕事をして手に職をつけることができると聞いていた
・しかし実際はプログラミングの仕事ではなく、システムのテストの仕事ばかりしている
・このままでは手に職をつけることができない
・よく職場が変わり派遣社員みたいな働き方(SES)をしている
IT業界にいる方だったらよく聞く話ですよね。
しかし面接時にこれを直接言ってしまうと、面接官はこのように思います。

業界研究をしていれば事前にわかったことではないのか

テストだって重要な仕事であり、プログラムをやりたいというのはわがままではないか
面接官にそう思われないように、
以下のように伝え方を工夫して退職理由を伝えるのはどうでしょうか。

退職理由は大きく2点あります。
1点目は仕事内容の自分の認識に誤りがあった点です。
私はプログラミングを通してお客様が要望するシステムを作る仕事を志望していました。
しかし実際は上長と各案件で単体テストばかり実施していました。
上長や他の諸先輩方に質問した結果「今の会社はテスト案件が非常に多く、
プログラミング案件は少ない」とお伺いしました。
私は現在、「Progate」を使用してプログラミングを勉強しています。
今後もプログラミングを勉強しそれを活かした仕事をしたいと考え、
転職を考えるようになりました。
2点目はお客様と長いお付き合いができない点です。
今の会社はSES案件が多く、私も約2年勤めて3回職場が変わりました。
私はお客様と長いお付き合いをし、システム導入後もサポートしたいと考えております。
そういった業務が今の会社では難しいと考え転職を考えています。
いずれの理由も私の会社研究及び業界研究があまかったために発生した理由であり、
そうならないために現在は企業様のHP等を確認しています。
その結果、御社を志望致しました。
まず、数年で転職してしまった理由は自分にあると反省していることが以下で伝わります。
さらに反省するだけでなく今後に活かそうと前向きに取り組んでいることが伝わります。

いずれの理由も私の会社研究及び業界研究があまかったために発生した理由であり、
そうならないために現在は企業様のHP等を確認しています。
また、今の会社では実現できない目標ややりたいことを明確に伝えているため、
「転職せざるを得ない状況である」ことをうまく伝えることができています。
最後に特に注目してほしいところは以下です。
「自ら動いて考えている」というあなたの行動力を伝えることができています。

私は現在、「Progate」を使用してプログラミングを勉強しています。
総合して、採用側に好印象を抱いてもらえるような退職理由であると思います。
人間関係に不満があった場合の例文
例えばIT企業に勤める社会人1年目のたくみさん。
たくみさんは以下の不満を抱いていたとします。
・上司から理不尽なことばかり言われてしんどい
・そのことを別の上司に相談したが改善してもらえなかった
・仕事ではなく人間関係に悩んで、仕事に行くのが億劫だ
人間関係で悩むのはとても理解できます。
おそらく悩んでいない方はいないと言っても過言ではありません。
ただ正直に言いますと、
退職理由として「人間関係」であるということは言わない方がいいです。
人間関係の退職理由を聞くと、面接官は以下のように思ってしまうからです。
・人間関係はどの会社でも悩む問題である
・転職しても人間関係で悩まれて辞めちゃうんじゃないか
だからこそ、人間関係は退職理由としておすすめしません。
本当は人間関係が退職理由だったとしても、
必ず仕事内容か職場環境で退職理由を作ってください。
しかしどうしても人間関係で退職理由を作りたい場合、
以下のように伝えてみてはいかがでしょうか。

退職理由は上司との人間関係です。
私は各現場で上司と仕事させていただいておりました。
プログラムや設計書作成時で自分で判断できないことやわからない時に
上司に相談しても助言をいただけず、結果的に不完全な成果物のまま納期を迎えてしまい
問題になることが複数回ありました。
初回発生時に直属の上司や他の上司にも相談しましたが解消できず、
複数回発生させてしまいました。
私のコミュニケーション不足等もあったのかもしれないと考え、上司への質問は
質問事項をメモし自分の中で整理して短い時間でお伝えできるようにしています。
また、上司へ相談できない状況が多かったため、
自分で調べて解決する能力が少しはついたと考えております。
まず以下で自分の反省点を伝えることができています。

私のコミュニケーション不足等もあったのかもしれない
また、以下で反省点を実際の行動にうつしていることが伝わります。

質問事項をメモし自分の中で整理して短い時間でお伝えできるようにしています。
自分で調べて解決する能力が少しはついたと考えております。
最後に特に重要だと思うのは以下です。
ここを伝えることで現在の会社でもがいたが結局ダメだったので
仕方なく転職活動をしているということが伝わります。
「問題が起きてただ逃げる手段として転職を選んだ」わけではないことがわかります。

初回発生時に直属の上司や他の上司にも相談しましたが解消できず
職場環境に不満があった場合の例文
例えばIT企業に勤める社会人2年目のさきさん(大阪出身だが東京勤め)。
さきさんは以下の不満を抱いていたとします。
・流行り病のご時世もありテレワークしたい
・地元に帰りたい
・現場が頻繁に変わって派遣社員のような働き方をしている
特に3つ目の不満はIT企業あるあるですね、、
いわゆるSES事業というやつで、人手を派遣する事業のことを指しています。
職場環境に不満があった場合、退職理由は以下のように伝えてみてはいかがでしょうか。

退職理由は大きく2点あります。
1点目は地元大阪で働きたいという点です。数カ月前、実家に暮らす父が体調を崩しました。
このご時世だったこともあり流行り病かと心配しましたが、幸いただの風邪でした。
しかし身近な人が苦しいときにそばにいれないのがとても嫌になり、
地元で働きたいと思うようになりました。
現在の会社でもその気持ちをお伝えしましたが、地元では案件がなく働くことができないため
退職を考えるようになりました。
2点目は1つのプロジェクトをやり遂げたいという点です。
今の会社はSES事業を行っており、頻繁に現場が変わってしまいます。
私は2年間で4回現場が変わりました。1つのプロジェクトをやり遂げ、
お客様と長い関係を築く仕事をしたいと思い、転職を考えるようになりました。
2つの理由とも、私が入社前によく考えていれば想定できたことと思い深く反省しております。
そのため現在の転職活動では、長く勤めさせていただくために
会社様のことをより深く調べています。
まず以下の部分で自分の反省点を言いつつ、
さらっと次の会社では長く勤めたいという意志を以下で伝えています。

長く勤めさせていただくために会社様のことをより深く調べています
これはとても好印象になります。
採用側としてはすぐに辞められてしまうと困るので、長く勤めてくれる人を探しているからです。
また、今の会社では叶わないことを以下でうまく伝えることができています。
今の会社では実現できないことを求めて転職活動するのは自然の流れです。
面接官も退職理由に納得してくれる可能性が高まります。

地元では案件がなく働くことができない
今の会社はSES事業を行っており、頻繁に現場が変わってしまいます
退職理由のポイントまとめ
今回は退職理由の書き方についてお伝えしました。
例文等をまじえて様々なケースの退職理由の書き方をお伝えできたと思います。
退職理由を考えるときに特に気にしてほしいのは以下3点です。
・第二新卒で転職してしまうことになったのは自分のせいであることを伝える
・人間関係は退職理由としては不向き
・やむを得なく転職しているのだという感じを出す
他にも志望理由の書き方をこちらの記事でも紹介しているので、
必ず参考にしてください。
あなたの転職活動が成功しますように。